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Google、Gemini 2.5 Proを発表――セキュリティ強化と高度推論「Deep Think」を搭載

Googleは、開発者向けにGoogle AI Studio、企業向けにVertex AIを通じて、Gemini 2.5 Proの一般提供を正式に開始した。2025年6月19日より利用可能となる。新モデルはWebDev ArenaとLMArenaの両リーダーボードで首位を獲得し、コーディングや推論能力の高さを示している。さらに、複雑な数学やコーディング課題に特化した実験的推論モード「Deep Think」を導入し、プロンプトインジェクション攻撃への耐性も大幅に強化された。
Google、Gemini 2.5 Proを発表――セキュリティ強化と高度推論「Deep Think」を搭載

Googleは、同社史上最先端のAIモデル「Gemini 2.5 Pro」の一般提供を開発者および企業向けに正式に開始し、AI戦略における重要なマイルストーンを打ち立てた。

このリリースは2025年6月19日より有効となり、3月から一部ユーザー向けに提供されていたプレビュー版を経ての正式版となる。最終版では、特にコーディング能力や応答フォーマットに関して、開発者からのフィードバックを反映した大幅な改良が施されている。

Gemini 2.5 Proは、複数のベンチマークで業界トップの地位を確立している。LMArenaではEloスコアが24ポイント上昇し1470点で首位を維持、WebDevArenaでも35ポイント増の1443点でリーダーとなった。これらのスコアは、一般的なタスクから専門的なコーディング用途まで、同モデルの卓越した性能を示している。

今回のリリースで特に注目されるのが、「Deep Think」と呼ばれる実験的な強化推論モードだ。これは、極めて複雑な数学やコーディング課題に特化して設計されており、モデルが応答前に複数の仮説を検討することで、問題解決能力を大幅に向上させる。最先端の機能であるため、Googleはまず信頼できるテスターに限定してDeep Thinkへのアクセスを提供し、追加の安全性評価を実施する予定だ。

セキュリティも本リリースの大きな焦点となっている。Googleは、ツール利用時の間接的なプロンプトインジェクション攻撃に対するGeminiの防御力を大幅に強化する高度なセーフガードを実装した。これらの攻撃は、AIモデルが取得するデータ内に悪意ある指示が埋め込まれることで発生する。Googleによれば、これらの改良により、Gemini 2.5はこれまでで最も安全なモデルファミリーとなった。

Gemini 2.5 Proは、開発者向けにはGoogle AI Studio、企業向けにはVertex AIを通じて利用可能。エンドユーザー向けにはGeminiアプリでも提供されている。さらに、開発者がモデルの計算リソース(思考予算)を調整できる機能も追加されており、性能とコストのバランスを柔軟に取ることができる。

このリリースにより、GoogleはOpenAIやxAIといった強力な競合他社がひしめくAIモデル市場での地位をさらに強化する。高度な推論力、コーディング能力、そして強化されたセキュリティ機能を兼ね備えたGemini 2.5 Proは、Google史上最も洗練されたAIモデルとなっている。

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