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OpenAI、ChatGPTをShopify決済連携でショッピングハブへ変革

OpenAIはShopifyと提携し、ChatGPT向けのネイティブ決済システムを開発中であると、2025年7月16日付のフィナンシャル・タイムズが報じた。この統合により、ユーザーはチャットインターフェース上で直接購入を完了できるようになり、外部ウェブサイトへの遷移が不要となる。OpenAIはこの戦略的な動きを通じて、ChatGPT内で完結する販売に対して手数料を得る新たな収益源を確立し、サブスクリプションサービス以外の収益機会を拡大する狙いだ。
OpenAI、ChatGPTをShopify決済連携でショッピングハブへ変革

OpenAIは、Shopifyの決済機能をChatGPTに直接統合することで、AIアシスタントを単なるレコメンデーションツールから本格的なショッピングプラットフォームへと変革しようとしている。

この機能はまだ開発段階にあるものの、OpenAIとShopifyはすでに一部ブランドに初期プロトタイプを披露し、手数料体系について協議を始めていると、プロジェクトに詳しい関係者は述べている。この統合により、ユーザーは商品を発見し、詳細を確認し、比較し、購入までをチャットインターフェース内で完結できるようになり、従来のように外部の小売サイトへ遷移する必要がなくなる。

この動きは、OpenAIの収益戦略における大きな転換点となる。2025年6月時点で年間売上高ランレートが100億ドル(2024年12月の55億ドルから増加)に達したものの、同社は昨年50億ドルの赤字を計上している。ChatGPT内で完結する販売に手数料を課すことで、OpenAIは無料版ユーザーを含む膨大なユーザーベースから新たな収益を得ることができる。

Shopifyにとっては、決済システムのバックエンド基盤を提供することで、今年米国で推定7,710万人(生成AIユーザーの約66%)に上るChatGPTユーザーへの即時リーチが可能となる。このeコマース大手は、すでにTikTokなどのプラットフォームでコマース機能を展開しており、ChatGPTの対話型フレームワークに合わせて技術を最適化する予定だ。

業界専門家は、この統合がオンライン小売のゲームチェンジャーになる可能性があると見ている。サプライチェーンコンサルタントで元Amazon幹部のブリテン・ラッド氏は「ChatGPTはインフラなしで何十億もの小売取引を可能にする。これは驚異的かつ非常に収益性が高い」と指摘。今回の提携により、ChatGPTはGoogleやAmazonといった従来の検索・eコマース大手に対する有力な競合となる可能性がある。

直接的な販売手数料にとどまらず、この統合は『AIO(人工知能最適化)』と呼ばれる新たな収益機会も生み出す。ブランド各社がChatGPT内での表示最適化を目的に商品メタデータを調整することで、従来の検索広告からAIショッピングチャネルへの広告費シフトも期待されている。

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