パランティア・テクノロジーズは2025年も市場の期待を裏切り続けており、多くのテクノロジー株が大きな逆風に直面する中、卓越した勢いを維持しています。データ分析およびAIソフトウェア企業である同社の株価は今年74%も上昇し、5月30日には8%の急騰を記録。S&P500の中でもトップクラスのパフォーマンスを見せています。
2025年、景気後退や貿易戦争への懸念からテック株は苦戦していますが、パランティアは例外です。不安定な市場環境の中、同社の株価は45%上昇し、FactSetによれば時価総額50億ドル以上の企業の中で最も好調です。 ここ数カ月、パランティアの株は他のテック企業が関税不透明感や景気減速懸念で低迷する中、際立った動きを見せ続けています。ナスダック指数は今年7%下落していますが、過去3週間で一部回復しています。
同社の2025年第1四半期決算は、そのビジネスモデルの強さを示しました。防衛技術企業である同社は、商業部門の収益が前年比71%増の2億5500万ドル、政府部門の売上が45%増の3億7300万ドルに達したと発表しました。今年の米国商業部門の収益は11億7800万ドルを超える見通しです。 パランティアは第1四半期の売上で市場予想を上回り、AIソフトウェアの導入拡大を受けて通期見通しも上方修正しました。CEOのアレックス・カープ氏は「私たちはAI時代の現代企業向けオペレーティングシステムを提供しています」と月曜日の決算発表で述べました。
パランティアの成功の核心には、人工知能プラットフォーム（AIP）の存在があります。パランティアAIPは、世界中の最も重要な商業・政府分野でリアルタイムかつAI駆動の意思決定を支えています。公衆衛生からバッテリー生産まで、様々な組織がパランティアを活用し、安全かつ効果的にAIを導入して業務成果を上げています。要するに、パランティアAIPは生成AIと業務をつなぐ存在です。
2023年4月、同社は大規模言語モデルをプライベートネットワークに統合した人工知能プラットフォーム（AIP）を発表しました。軍事現場でAIチャットボットを通じて作戦を展開し、応答を受け取るデモも実施されました。 その後、AIPは大きく進化し、医療や金融サービスなど多様な分野で新規顧客を獲得し続けています。パランティアの中核である政府顧客基盤が安定した収益をもたらす一方、AIサービスの収益化スピードが今後の焦点です。投資家は特に米国商業市場でのAIP導入動向に注目しており、「ブートキャンプ型」オンボーディングモデルが急成長を後押ししています。
好調な業績にもかかわらず、一部アナリストはパランティアの高いバリュエーションに慎重な見方を示しています。株価は約8%上昇し、時価総額は2810億ドルに到達。これは売上規模が10倍のセールスフォースを上回る水準です。現在パランティア株は過去12カ月の利益の520倍という高い倍率で取引されています。 しかし、支持派はパランティアの強気材料はAIと国家安全保障の交差点という独自の立ち位置にあると主張します。同社のオントロジー駆動型プラットフォームは、エンタープライズソフトウェアにおけるAIオーケストレーションの最先端実装であり、前例のない効率化と意思決定を実現すると評価されています。
AIの産業横断的な普及が加速する中、パランティアは今後も成長軌道を維持し、世界で最も価値あるAI企業の一つとしての地位を確立する可能性が高まっています。