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米議会、中国へのAIチップ流出阻止に向け新たなセキュリティ法案を提出

超党派の米議員グループは2025年5月15日、「チップ・セキュリティ法案」を提出し、米国の先端AIチップが密輸や抜け道を通じて中国企業に渡るのを防ぐことを目指している。法案では、Nvidiaなどのチップメーカーに対し、位置追跡技術の搭載や不審な取引の義務的報告を求めている。これは、ファーウェイやDeepSeekなどの中国企業が既存の輸出規制を回避する能力を示し、国家安全保障上の懸念が高まっていることを受けたものだ。
米議会、中国へのAIチップ流出阻止に向け新たなセキュリティ法案を提出

米下院議員らは2025年5月15日、米国の先端AIチップが密輸ネットワークや規制の抜け道を通じて中国に流出するのを阻止することを目的とした「チップ・セキュリティ法案」を提出し、超党派の協力を示した。

この法案は、下院中国特別委員会のジョン・ムーレナール委員長(共和党・ミシガン州)とラジャ・クリシュナムルティ筆頭委員(民主党・イリノイ州)を中心に、両党の6名の議員が共同提出したもので、2022年以降に導入された米国の輸出規制を中国企業が回避しているという証拠が増えていることを受けたものだ。

ムーレナール委員長は声明で「中国共産党は長年にわたり、ダミー会社や密輸ネットワークを利用して、我が国の輸出管理体制の弱点を突き、軍事力の強化や監視能力の拡大に資する米国の先端技術を流用してきた」と述べた。

法案では、主に3つの重要な施策が盛り込まれている。第一に、先端チップにリアルタイムの位置検証技術を組み込み、所在を追跡すること。第二に、チップメーカーに対し、不審な取引や流用の試みを当局に報告する義務を課すこと。そして第三に、商務省が開発する暗号化や改ざん防止設計などの追加的な安全対策である。

この下院法案は、5月8日にトム・コットン上院議員(共和党・アーカンソー州)が提出した上院版法案とも連携しており、こちらも輸出規制対象のAIチップに位置追跡システムの導入を求めている。技術的には、チップが安全なサーバーと通信し、信号伝送時間に基づいて位置を検証する仕組みが想定されている。

この法案は、中国のAI分野における最近の動向に直接対応するものだ。2025年1月、中国AI企業DeepSeekは、規制にもかかわらず西側の製品に匹敵するモデルを発表した。同社は規制強化前にNvidia製チップを大量に確保し、限られた計算資源で最大限の性能を引き出す独自技術も開発したとされる。同様に、ファーウェイも国内生産やダミー会社を通じて、米国の規制を回避しながら先端AIチップを製造している。

法案は幅広い支持を集めているが、技術的な実現可能性や正当なグローバル市場への影響については依然として疑問が残る。業界専門家は、チップ性能を損なわずに強固な追跡システムを実装するには大きな技術的課題があると指摘し、米国の国際競争力に予期せぬ悪影響が及ぶことを懸念する声もある。

Source: Naturalnews.com

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