TikTokの親会社であるバイトダンスは、2025年5月24日、公式WeChatアカウントを通じて、チャットボット「豆包（Doubao）」に画期的なリアルタイム双方向動画通話機能を追加したと発表した。
この新機能により、豆包は従来のチャットボットから、リアルタイムでビジュアルガイダンスを提供できる高度なデジタルアシスタントへと変貌を遂げた。ユーザーはAIとの音声通話中にスマートフォンのカメラをオンにするだけで簡単にこの機能を利用できる。これにより、豆包は美術館見学時の知識豊富なガイド、植物観察時の園芸アドバイザー、買い物中の料理アドバイザー、チャートやグラフ、動画の分析アシスタントなど、さまざまな役割を果たすことが可能となった。
バイトダンスによると、この機能強化は同社の先進的なビジュアル推論AIモデルを基盤としており、視覚情報と言語情報を効果的に統合することで、コンテンツ制作や多様な分野の詳細な分析を支援する。また、オンライン検索機能も組み込まれており、インターネット上の最新情報にアクセスできる。
今回の開発は、生成AI分野におけるバイトダンスの最新の成果であり、異なる入力形式を組み合わせたマルチモーダルシステムの構築における同社の専門性の高まりを示している。5月初旬には、豆包が写真をピクセルアートに変換する機能を導入し、2月には写真や音声からリアルな動画を生成できる「OmniHuman-1」モデルを発表して注目を集めた。
2025年初頭時点で月間アクティブユーザー数約7,500万人を誇る豆包は、中国で最も人気の高い消費者向けAIアプリの一つとして地位を確立している。プラットフォームの急速な進化は、バイトダンスがAI技術に多額の投資を行っていることを反映しており、2025年には200億ドル超の資本支出の大部分がAI開発に充てられると報じられている。
AI分野での競争が激化する中、豆包を通じたバイトダンスの継続的なイノベーションは、現実世界のリアルタイムなシナリオでより有用なデジタルアシスタントを実現するマルチモーダルAIアプリケーション分野で、同社がリーダーシップを維持する姿勢を示している。