世界で最も人気のあるコンテンツ管理システムであるWordPressは、エコシステム全体で人工知能(AI)関連の取り組みを主導・加速するため、専任のAIチームを正式に設立しました。
2025年5月27日、WordPressのエグゼクティブディレクターであるメアリー・ハバード氏によって発表されたこの新チームは、AIプロジェクトの調整、断片化の防止、そしてイノベーションがWordPressのコアバリューや長期的な目標と一致することを重視します。ハバード氏は発表記事の中で「統一されたチームがAI開発を慎重に導き、断片化を回避し、WordPressの長期的な目標と整合性を保ちます」と述べています。
チームには、Automattic(WordPressの親会社)でAI部門を率いるジェームズ・ルページ氏、Googleからフェリックス・アーンツ氏とパスカル・バーチラー氏、ウェブデザイン企業10upのオープンソースディレクターであるジェフ・ポール氏など、業界の専門家が集結。ルページ氏とアーンツ氏が初期のチーム代表を務め、他のWordPressチームとの組織的な連携や調整をサポートします。
この取り組みは、AIがオンラインコンテンツの作成と管理を急速に変革している重要なタイミングで実施されます。現在、WordPress開発者はテンプレートビルダーやSEO最適化ツール、高度なチャットボットに至るまで、660種類ものAIプラグインを公開しています。専任チームの結成は、これらの取り組みをより積極的に整理・監督するというWordPressの意思を示しています。
AIチームは、WordPressパフォーマンスチームと同様に「プラグイン・ファースト」アプローチを採用し、新機能をコアプラットフォームに統合する前に迅速な試行・テストを可能にします。この手法により、イノベーションを促進しつつ、WordPressのオープンソース開発とコミュニティ参加へのコミットメントも維持されます。
開発者やユーザーがチームの進捗を追ったり貢献したりできるよう、WordPressはSlackワークスペース内に専用チャンネル(#core-ai)を設置し、チームブログ(make.wordpress.org/ai)も開設しました。現在、初期ロードマップやミーティングスケジュール、貢献ガイドラインの策定が進められており、今後数週間で詳細が発表される予定です。
AIの進化が続く中、この戦略的な取り組みにより、WordPressはコンテンツ管理技術の最前線に立ち続けるとともに、AI統合がコミュニティの価値観に導かれ、コア基準に則ってオープンに進められることを保証します。