Anthropicは、2025年5月22日に開催された開発者向けイベント「Code with Claude 2025」にて、次世代AIモデルであるClaude Opus 4およびClaude Sonnet 4を発表しました。これらのモデルは、特にソフトウェアエンジニアリングおよび自律型エージェントの分野において、同社史上最大の技術的進歩を示しています。
Claude Opus 4は「世界最高のコーディングモデル」と位置付けられており、SWE-benchコーディングベンチマークで72.5%というスコアを記録しました。これはOpenAIのGPT-4.1(54.6%)やGoogleのGemini 2.5 Proを上回る成績です。楽天でのテストでは、Opus 4がほぼ7時間にわたり自律的にコーディングを続ける能力を示し、従来のAIモデルの数分程度の注意持続時間を大きく凌駕しました。
両モデルはハイブリッド推論システムを搭載しており、即時応答と段階的な深い思考のいずれにも対応可能です。ウェブ検索を含む複数のツールを並行して利用でき、ローカルファイルへのアクセスが許可されている場合は、重要情報を抽出・蓄積し、Anthropicが「暗黙知」と呼ぶ知識を時間をかけて構築することができます。
Claude Sonnet 4は、2024年2月にリリースされたSonnet 3.7を改良したもので、問題解決能力や指示の遵守性能が向上しています。Sonnet 4は無料プランを含む全てのClaudeユーザーが利用可能ですが、Opus 4はPro、Max、Team、Enterpriseプラン限定となっています。
この発表はAnthropicの急成長の中で行われ、2025年第1四半期には年間売上高が20億ドルに倍増し、年間10万ドル以上を支出する顧客数も8倍に増加しました。同社は最近、AI開発を加速するために25億ドルの信用枠も確保しています。
技術的な進歩にもかかわらず、AnthropicはClaude Opus 4に厳格な安全対策を導入しており、社内テストで潜在的リスクが確認されたことから、AI Safety Level 3(ASL-3)プロトコルの下で運用されています。両モデルはAnthropicのAPI、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIを通じて提供され、Opus 4は100万トークンあたり15ドル/75ドル、Sonnet 4は3ドル/15ドルに価格設定されています。