menu
close

パランティア、2025年に株価74%急騰でAI市場を席巻

パランティア・テクノロジーズは2025年のテック市場低迷をものともせず、AIプラットフォームによる著しい成長を背景に年初来で株価が74%急騰した。同社は米国商業部門の売上が前年比71%増と好調だったことを受け、2025年通期の売上高見通しを39億ドルに上方修正。高いバリュエーションへの懸念はあるものの、機密性が求められる分野での独自の地位と政府との強力なパートナーシップが投資家の支持を集めている。
パランティア、2025年に株価74%急騰でAI市場を席巻

パランティア・テクノロジーズは、2025年の厳しいテック業界において際立った存在となっている。多くの大手企業が景気後退懸念や市場の変動に苦しむ中、ナスダック総合指数が年初来で11%下落する一方、パランティアの株価は約74%も急騰し、S&P500の中で最も好調な銘柄となった。

同社の著しい成長を牽引しているのは、2023年半ばにローンチされた人工知能プラットフォーム(AIP)だ。2025年第1四半期、パランティアの売上高は8億8,390万ドルとなり、前年比39%増とアナリスト予想を上回った。特に米国商業部門は前年比71%増、前四半期比でも19%増と急伸し、年間ランレートで初めて10億ドルの大台を突破した。

この好調な業績を受け、パランティアは2025年通期の売上高見通しを従来の37億4,000万~37億6,000万ドルから38億9,000万~39億ドルに上方修正。米国商業部門の成長率見通しも前年比54%増から68%増へと引き上げた。

パランティアの成功の背景には、AI市場における独自のポジショニングがある。GoogleやMicrosoft、Salesforceのように顧客向けツールや幅広いアプローチに注力する競合他社とは異なり、パランティアは防衛や医療など機密性・重要性の高い分野で強みを発揮している。同社のAIPは、企業が自律型AIエージェントを導入し、意思決定のタイムラインを大幅に短縮し生産性を向上させることを可能にする。実際、ウォルグリーンはAIを活用したワークフローをわずか8カ月で4,000店舗に展開し、AIGもパランティアの技術により5年CAGR(年平均成長率)が2倍になると見込んでいる。

政府向け事業も堅調で、2025年第1四半期の米国政府向け売上高は前年比45%増の3億7,300万ドルとなった。CEOのアレックス・カープ氏は、パランティアを米国のイノベーションの中心に位置付け、「世界はAIを持つ者と持たざる者に分かれる」とし、「パランティアは勝者を支える存在になる」と語っている。

一方、急成長の裏でバリュエーションの高さへの懸念も根強い。同社株はフォワードP/S(株価売上高倍率)で約71倍と業界平均の5.5倍を大きく上回り、PER(株価収益率)も約500倍に達している。アナリストは、売上成長の鈍化や業績遂行上の課題が生じれば、現在の株価には将来の大幅な成長期待が織り込まれているだけに、大きな調整が起こる可能性があると警鐘を鳴らしている。

Source:

Latest News