menu
close

トランプ氏、米国の世界的優位を確立する大胆なAI戦略を発表

ホワイトハウスは「AI競争に勝つ:アメリカのAIアクションプラン」を発表し、人工知能分野での米国のリーダーシップ確保に向けた3本柱・90以上の連邦政策アクションを示した。トランプ大統領の1月の大統領令に基づき、イノベーションの加速、堅牢なインフラ構築、国際外交・安全保障での主導を重視。データセンターや半導体施設の規制緩和を進め、同盟国との戦略的連携を通じて米国をAIの世界標準に位置付ける狙い。
トランプ氏、米国の世界的優位を確立する大胆なAI戦略を発表

ドナルド・トランプ大統領率いる政権は、急速に進化する人工知能(AI)分野における米国の優位性を確保するため、国家の経済的繁栄と安全保障に不可欠と位置付けた野心的な国家戦略を発表した。

この計画「AI競争に勝つ:アメリカのAIアクションプラン」は、1月に発令された大統領令に基づき、7月23日に公表された。計画では、イノベーションの加速、米国AIインフラの構築、国際外交・安全保障でのリーダーシップという3つの戦略的柱に基づき、90を超える連邦政策アクションが整理されている。

AI・暗号担当責任者のデビッド・サックス氏は「人工知能は世界経済を変革し、世界の勢力図を塗り替える可能性を持つ革命的技術だ。米国が経済・軍事のリーダーであり続けるには、AI競争に勝利しなければならない」と述べた。

戦略の重要な要素として、政権幹部が「官僚的な足かせ」と表現するAI開発の障壁を取り除くことが挙げられている。これには、データセンターや半導体製造施設、エネルギーインフラの許認可手続きの簡素化が含まれる。また、重要プロジェクトの遅延要因とされるCHIPS法の多様性・公平性・包摂性(DEI)要件の撤廃も盛り込まれた。

国際面では、米国のテック企業と連携し、ハードウェア、大規模言語モデル、ソフトウェア、アプリケーション、標準規格を含む「フルスタックAI輸出パッケージ」を同盟国に提供する方針。これにより、米国技術を世界標準に押し上げる狙いだ。商務省と国務省が連携し、米国の安全保障基準への適合を確保しつつ、中国の国際ガバナンス機関への影響力拡大を牽制する。

この計画はテクノロジー業界のリーダーから強い支持を受ける一方、プライバシー擁護団体や労働組合からは、産業界の利益がAIの安全性より優先されているとの批判も上がっている。批判派は、政権案に対抗する「市民のアクションプラン」策定のため連携を開始した。

ホワイトハウスの戦略は、前政権の「安全性重視」から大きく舵を切り、規制緩和と産業界との連携を重視する内容となっている。今後6~12か月で実施が見込まれる本計画は、AI競争での勝利が米国の経済・軍事的リーダーシップ維持に「交渉の余地なき」最重要課題であるという政権の姿勢を鮮明にしている。

Source:

Latest News