Amazonは、AIを活用したショッピング体験の強化を続けており、今回新たにモバイルショッピングアプリに音声機能「Hear the highlights(ハイライトを聞く)」を導入した。
この生成AI搭載機能は、Amazonが「AIショッピングエキスパート」と呼ぶもので、商品情報やカスタマーレビュー、ウェブ上の情報を解析し、商品ページ閲覧中に短い音声サマリーとして提供する。ユーザーは、Amazonアプリの商品画像下に表示される「ハイライトを聞く」ボタンをタップすることで、これらの音声クリップを再生できる。
Amazonの検索・会話型ショッピング担当バイスプレジデント、Rajiv Mehta氏は、リリースを告知するブログ記事で「この機能は商品リサーチを楽しく、便利にします。まるで親しい友人たちが購入候補について話し合ってくれるような感覚で、マルチタスク中や外出先でも手軽にショッピングができます」とコメントしている。
この機能の背後にある技術は、大規模言語モデルを活用し、Amazonの商品カタログやカスタマーレビューからスクリプトを生成し、それを短い音声クリップへと変換する。まずは購入前に十分な検討が必要とされる商品を中心にテストを開始し、今後数カ月で対象商品やユーザーを順次拡大する計画だ。
今回の音声機能は、Amazonが展開するAI搭載ショッピングツール群に加わるもので、2024年2月にローンチした生成AIショッピングアシスタント「Rufus」や、レビューの共通テーマを要約する「レビュー・ハイライト」、ユーザーの好みに合わせて新商品を継続的に提案する「Interests」などが含まれる。
「Hear the highlights」の導入は、AmazonがAIを自社エコシステム全体に深く統合する戦略の一環であり、2025年2月に生成AI機能を強化したAlexa+のアップデートにも続く動きだ。大手テック企業がAIを活用してオンラインショッピングを変革する中、AmazonはAI主導のリテール体験の最前線に立つことを目指している。