Snowflakeの最新決算報告は、同社がエンタープライズAIブームを的確に捉え、主要指標でアナリスト予想を上回る好業績を達成していることを示している。
2026年度第1四半期決算発表(5月21日)で、Snowflakeは総売上高10億4,000万ドルを計上し、アナリスト予想の10億1,000万ドルを上回った。調整後1株当たり利益は0.24ドルで、コンセンサス予想の0.21ドルを上回った。これらの好調な業績を受け、同社は年間製品売上高目標を従来の42億8,000万ドルから43億2,500万ドルに引き上げた。
CEOのスリダー・ラマスワミ氏は決算説明会で、「あらゆる企業がデータとAIを通じて最大限の可能性を発揮できるよう支援することが当社の使命です」と強調。「Snowflakeは、プラットフォームの使いやすさ、あらゆる場所にあるデータへのシームレスなアクセス、エンタープライズレベルの信頼性を重視しており、これが1万1,000社以上のお客様に愛され、他社と差別化される理由です」と述べた。
同社のAI戦略の中核はCortex AIプラットフォームであり、戦略的パートナーシップによって大きく拡大している。2月にはMicrosoft Azure OpenAI Serviceとの統合を発表し、OpenAIのモデルをSnowflakeのセキュアな環境内で利用可能にした。この統合とAnthropicとの既存パートナーシップにより、Snowflakeは両社の先進的AIモデルをシームレスにホストできる唯一のデータプラットフォームとなっている。
SnowflakeのCortex AIスイートには、企業の多様なニーズに対応するAI搭載ツールが含まれる。構造化データとの自然言語対話を実現するCortex Analyst、非構造化ドキュメントの検索を可能にするCortex Search、自律的なタスク実行を担うCortex Agentsなどだ。また、顧客が自社のビジネス用途に合わせて大規模言語モデルをカスタマイズできるファインチューニング機能も提供している。
過去12カ月間の製品売上高が100万ドルを超える顧客数は606社(前年比27%増)、残存パフォーマンス義務は67億ドル(同34%増)に達しており、AIに特化したSnowflakeの戦略が、独自データを活用しつつセキュリティとガバナンスを維持したい企業のニーズにしっかりと応えていることがうかがえる。