Monolithic Power Systems(MPWR)は、複数の業界で電源管理ソリューションへの強い需要に支えられ、半導体分野で著しい成長を続けています。同社は2025年第1四半期に、売上高6億3,760万ドルを記録し、前年比39.2%、前四半期比2.6%の増加を達成しました。
1997年に設立されたMPWRは、システムレベルの深い知見、強力な半導体設計力、そして半導体プロセス・システム統合・パッケージングにおける独自の革新的技術という3つの中核分野で専門性を培ってきました。この組み合わせにより、同社は信頼性が高く小型で省エネルギーなソリューションを提供し、ストレージ&コンピューティング、自動車、エンタープライズデータ、民生用電子機器、通信、産業用途など多様な市場に貢献しています。
特にストレージ&コンピューティング分野での成長が顕著で、同セグメントは前年比77.7%増の1億8,850万ドルに達し、自動車分野も66.4%増の1億4,490万ドルとなりました。MPWRは10億3,000万ドルの現金および投資資産を保持し、2025年第1四半期には2億5,640万ドルの営業キャッシュフローを創出するなど、健全な財務基盤を維持しています。
一方、On Track Innovations(OTIVF)は、リテールや石油業界向けのキャッシュレス決済ソリューションに特化した異なる技術分野で事業を展開しています。同社は決済リーダー、コントローラー、端末、管理ソフトウェアなどを設計・開発・販売しています。1990年にDe-Bug Innovations Ltd.として設立され、1991年に現社名へ変更したOTIVFですが、MPWRと比較すると市場での存在感は大きく劣ります。
今後について、Monolithic Power Systemsは2025年第2四半期の売上高を6億4,000万~6億6,000万ドル、非GAAPベースの粗利益率を55.2%~55.8%とする強気の見通しを示しています。同社は2024年に高出力クリーンエネルギー用途向けのシリコンカーバイドインバータを発表し、今後もシリコンカーバイド製品ポートフォリオの拡充を計画するなど、新技術への投資を継続しています。
半導体業界がAIインフラや省エネルギーソリューションへの需要拡大とともに進化を続ける中、Monolithic Power Systemsは革新と強固な顧客関係を武器に、これらのトレンドを活かす好位置にあります。一方、On Track Innovationsは、競争の激しい決済ソリューション市場でより大きな存在感を確立するという課題に直面しています。