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Google、I/O 2025でGemini 2.5 Deep Thinkを発表

GoogleはI/O 2025において、Gemini AIモデルの大幅なアップグレードを発表しました。目玉はGemini 2.5 Pro向けの実験的な「Deep Think」モードで、複数の仮説を考慮してから応答する強化推論機能を備えています。これにより、複雑な数学、コーディング、マルチモーダル推論のベンチマークで画期的な性能を達成しました。また、月額249.99ドルの新しい「Google AI Ultra」サブスクリプションや、Gemini 2.5 Flashの改良、Googleエコシステム全体への統合拡大も発表されました。
Google、I/O 2025でGemini 2.5 Deep Thinkを発表

Googleは2025年5月20日に開催された年次開発者会議「I/O」にて、Gemini 2.5モデルファミリーの大規模なアップデートを発表し、AIの能力を大きく拡張しました。

最も注目される進化は、Gemini 2.5 Pro向けの実験的な強化推論モード「Deep Think」です。このモードでは、モデルが応答する前に複数の仮説を並列で検討することが可能となります。このアプローチは目覚ましい成果を上げており、Google DeepMindのCEOであるデミス・ハサビス氏は「思考と推論における最先端の研究を駆使し、モデル性能の限界を押し広げている」と述べています。

Deep Thinkはすでに難易度の高いベンチマークで卓越したパフォーマンスを示しており、2025年のUSAMO数学コンペティションで高得点を記録、競技プログラミングのLiveCodeBenchでトップに立ち、マルチモーダル推論タスクのMMMUでは84%のスコアを達成しました。最先端の能力を持つことから、Googleはまず信頼できるテスターに限定して提供し、追加の安全性評価を実施しています。

また、Gemini 2.5 FlashがGeminiアプリで全ユーザーに提供開始され、推論・コーディング・マルチモーダルタスクでの性能向上と、トークン消費量の20〜30%削減を実現しました。アップデート版は6月初旬までにGoogle AI Studioの開発者やVertex AIの企業向けにも一般提供され、2.5 Proも間もなく利用可能となります。

透明性と制御性を高めるため、GoogleはGemini APIおよびVertex AIに「思考サマリー」を導入し、モデルの推論プロセスを構造化された形式で整理します。また、2.5 Proには「思考バジェット」も拡張され、開発者が応答前にどの程度深く考えさせるかを調整できるようになりました。

これらのアップデートに合わせて、GoogleはAIサブスクリプションの体系も再編。従来の「AI Premium」は「Google AI Pro」(月額19.99ドル)にリブランドされ、新たに「Google AI Ultra」(月額249.99ドル)が登場。Ultraでは利用上限が最大となり、Deep Thinkモードを含む実験的機能への早期アクセスや、ネイティブオーディオ対応の動画生成ツール「Veo 3」など高度なツールの独占利用が可能です。

開発者向けには、Gemini 2.5 Proが引き続き複雑なタスクに最適な最先端モデルとして提供されており、WebDev ArenaやLMArenaのリーダーボードでも首位を獲得しています。また、Google検索にもGemini 2.5が統合され、AIモードが米国の全ユーザーに展開されるほか、AIモードとAIオーバービューもカスタム版Gemini 2.5でまもなく稼働予定です。

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