OpenAIは、期待が高まる次世代AIモデル「GPT-5」を2025年8月にリリースする予定だ。これは人工知能技術における大きな進展となる。今回のリリース計画は、AI Unraveledポッドキャストの7月27日配信回や、OpenAIのCEOサム・アルトマンによる最近の公の発言など、複数の情報源によって確認されている。
同社の計画に詳しい関係者によれば、GPT-5は従来モデルの単なるアップデートにとどまらない。新モデルは、複数の専門AIシステムを一つの強力なフレームワークに統合する設計となっており、ユーザーが用途ごとに異なるモデルを切り替える必要がなくなる。
OpenAIの副社長ジェリー・トゥウォレック氏は最近の公開フォーラムで「GPT-5は、現行モデルができることをすべて、より良く、かつモデルの切り替えを減らして実現するための次の基盤モデルです」と説明している。この統合的アプローチにより、従来のGPTモデルの機能と、o3などOpenAIの専門的な“oシリーズ”モデルに搭載された高度な推論機能が組み合わさる。
GPT-5の開発は、今年初めにリリースされたGPT-4.5の後継として位置づけられる。GPT-4.5は「最後の非チェーン・オブ・ソート（連想思考非対応）モデル」とされており、GPT-5では推論能力の大幅な強化、幻覚（ハルシネーション）の減少、テキスト・画像・音声入力へのマルチモーダル対応拡大など、基盤が大きく進化する見込みだ。
業界関係者は、GPT-5のリリースがOpenAIの製品ラインアップの簡素化とAI機能の限界拡張という、同社の大きな戦略の一環であると指摘する。アルトマン氏が「魔法のような統合知能」と呼ぶこのモデルは、ユーザーがどのモデルを選ぶべきかを意識せずとも、自動的にニーズに適応することを目指している。
8月のリリースは、Google DeepMind、Anthropic、Meta AIなどの競合他社が独自の先進モデル開発を進める中、AI業界の競争をさらに激化させるだろう。企業や開発者にとって、GPT-5はコーディングやコンテンツ生成から複雑な問題解決、データ分析に至るまで、より強力なツールを提供することが期待されている。