Googleは2025年7月初旬、AI分野における競争力を強化する複数の主要リリースを発表し、AIサービスの拡充を図りました。
Gemini 2.5ファミリーには、用途に応じて最適化された3つのモデルが新たに揃いました。Gemini 2.5 FlashおよびProモデルはプレビュー段階から一般提供へ移行し、開発者が本番環境で安定して利用できるようになりました。新たに導入されたGemini 2.5 Flash-Liteはプレビュー提供となっており、これまでで最もコスト効率が高く、高速な2.5モデルとして、分類や要約など高スループットが求められるタスク向けに最適化されています。
Googleの発表によると、Flash-Liteは従来モデルと比べて優れたパフォーマンスを低コストで実現します。100万トークンのコンテキストウィンドウを備え、マルチモーダル入力にも対応しているため、モデルの知能がそれほど必要ないが、速度と効率が重視されるコストセンシティブなアプリケーションに最適です。他のGemini 2.5モデルと異なり、Flash-Liteでは「思考」機能がデフォルトでオフになっており、開発者がリソース消費をより細かく制御できます。
開発者向けには、Geminiをターミナル環境に直接導入できるオープンソースAIエージェント「Gemini CLI」が登場しました。Apache 2.0ライセンスで公開されており、Gemini 2.5 Proへの軽量なアクセス手段として、コーディングや課題解決、タスク管理などに活用できます。個人のGoogleアカウントがあれば無料で利用でき、1分間あたり60リクエスト、1日あたり1,000リクエストという十分な利用枠が用意されています。
CLIツールはコーディングタスクに強みを持つだけでなく、コンテンツ生成やリサーチ、プロジェクト管理にも対応。オープンソースのため、開発者はコードを確認したり、セキュリティ面を検証したり、GitHubを通じて改善に貢献することも可能です。
これらのリリースに加え、Googleは最新のテキストから画像生成モデル「Imagen 4」をGemini APIおよびGoogle AI Studioで開発者向けに提供開始しました。Imagen 4は有料プレビューとして利用でき、従来モデルよりも大幅に精度の高いテキスト描画を実現。標準版(1画像あたり0.04ドル)と、より精密な指示に対応するImagen 4 Ultra(1画像あたり0.06ドル)の2種類が用意されています。
これらの新サービスにより、GoogleはAIエコシステムを一層強化。開発者や企業は、パフォーマンス・コスト・効率のバランスを取りながら、先進的なAI機能を自社アプリケーションに柔軟に組み込むことが可能となります。