Nvidiaは、今年初めの大幅な調整から反発し、人工知能（AI）チップ市場における圧倒的なリーダーとしての地位をさらに強固なものとした。
同社の株価は2025年4月末までに30％下落したものの、その後年初来で16％の上昇を記録し、力強い回復を見せている。この動きは、Nvidiaのビジネスモデルの持続的な強さと、AIアクセラレータに対する旺盛な需要を裏付けている。
2025年5月時点で、Nvidiaは時価総額3.2兆ドル超で米国第2位の企業となっており、マイクロソフトに次ぐ規模となっている。同社の急成長は、AIチップ市場での圧倒的なシェア――大規模言語モデルの学習・運用向け分野で70～95％を掌握――によって支えられている。
Nvidiaの財務見通しは極めて良好だ。アナリストは、今年度の通期売上高が約2,000億ドル、来年度には2,500億ドルに達すると予測している。これは2025年度の実績である1,305億ドルからの驚異的な成長となる。1株当たり利益も今後3～5年で年率約29％の成長が見込まれており、利益率の拡大と規模の拡大の両方を反映している。
同社のデータセンター部門（AIチップおよび関連部品を含む）は、引き続き主要な成長ドライバーとなっている。直近四半期では、データセンター部門の売上高が前年同期比73％増の391億ドルとなり、全体売上高の88％を占めた。マイクロソフト、グーグル、アマゾン、オラクルといったクラウドプロバイダーが、この部門売上の約半分を占めている。
AMDやインテル、新興企業などの競争が激化する中でも、Nvidiaの技術的優位性とソフトウェアエコシステム――特にCUDAプラットフォーム――は強固な参入障壁となっている。AMDはMI300シリーズで、インテルはGaudi AIアクセラレータで市場参入を進めているものの、いずれもNvidiaの市場支配を本格的に脅かすには至っていない。
Nvidiaの堅調な見通しは、業界全体のトレンドとも一致している。アナリストは今後4年間でAIインフラへの投資が1兆ドルを超えると予測しており、各業界でAI導入が加速する中、Nvidiaは2025年以降も圧倒的な市場地位を維持する構えだ。