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QCi、量子AI統合技術の推進に向け2億ドルを調達

Quantum Computing Inc.(QCi)は、機関投資家向けの私募を通じて1株あたり14.25ドルで1,400万株以上を売却し、2億ドルを調達した。この資金調達は2025年6月24日に完了予定で、QCiの現金保有額は3億5,000万ドル超となる見込み。今回の大型投資により、同社はAI機能を強化する量子コンピューティング技術を活用した集積フォトニクスおよび量子光学技術の商用化を加速させる。
QCi、量子AI統合技術の推進に向け2億ドルを調達

Quantum Computing Inc.(QCi)は、量子コンピューティングと人工知能の融合領域における地位強化に向け、重要な資金調達を実現した。ナスダック上場企業である同社(ティッカー:QUBT)は、6月23日、機関投資家との間で1株14.25ドル、計14,035,089株の普通株式を私募で発行する証券購入契約を締結したと発表した。

今回の2億ドルの資金調達は、Titan Partners Groupが単独でプレースメント・エージェントを務め、2025年6月24日頃のクロージングが見込まれている(通常のクロージング条件が適用)。この投資により、QCiの現金保有額は3億5,000万ドルを超え、同社の積極的な成長戦略を支える潤沢な資金が確保される。

QCiは、今回の資金を集積フォトニクスおよび量子光学技術の商用化加速、戦略的買収の推進、運転資金の増強、その他一般的な企業目的に充当する計画だ。同社は、高性能コンピューティング、人工知能、サイバーセキュリティ、リモートセンシング分野に応用可能な、常温動作型の量子マシン開発を専門としている。

QCiの技術ポートフォリオの中核を成すのが「Dirac-3」量子最適化マシンであり、非線形量子光学を活用して多数の変数を持つ複雑な問題を解決する。従来の量子コンピュータが量子ビット(qubit)を用いるのに対し、Dirac-3は200の離散モードを持つ量子ディジット(qdit)を採用し、AI関連用途での能力を大幅に拡張している。同システムは既にNASA、ロスアラモス国立研究所、Sanders Tri-Institutional Therapeutics Discovery Instituteなどと提携し、宇宙画像解析から創薬まで幅広い応用が進んでいる。

またQCiは最近、アリゾナ州テンピに量子フォトニックチップのファウンドリを完成させた。これは、薄膜リチウムナイオベート(TFLN)フォトニックチップへの需要拡大に対応する重要なマイルストーンとなる。この技術は、フォトニクスベースの量子コンピューティング、防衛、人工知能、データセンター接続などの分野で、性能向上とエネルギーコスト削減の大きな可能性を秘めている。

今回の投資は、量子AI統合技術への信頼の高まりを示しており、材料科学から金融モデリングまで、従来は解決困難だった課題に取り組む次世代コンピューティング基盤としての期待が高まっている。

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