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Metaの143億ドル出資にもかかわらず、Scale AIは独立性を維持すると宣言

Scale AIの暫定CEOであるジェイソン・ドローゲ氏は、Metaが143億ドルを投じて49%の株式を取得し、AIデータラベリング企業の評価額が290億ドルに達した後も、同社が独立性を維持することを公に表明した。ドローゲ氏は最近の声明で、2019年からの長年の顧客であるMetaに対しても特別扱いはしないと強調している。この取引により、Scaleの創業者アレクサンドル・ワン氏はMetaの新たなスーパーインテリジェンス部門を率いるために退任しており、MetaにとってはWhatsApp買収に次ぐ過去2番目の大型投資となる。
Metaの143億ドル出資にもかかわらず、Scale AIは独立性を維持すると宣言

Scale AIは、Metaによる巨額投資にもかかわらず独自路線を貫く決意を示している。これは、ソーシャルメディア大手Metaが143億ドルで49%の株式を取得したことを受け、同社の暫定CEOであるジェイソン・ドローゲ氏が、企業の自律性維持について積極的に発信していることからも明らかだ。

6月中旬、ドローゲ氏は顧客、従業員、投資家向けのメモで「最近のAI分野における他のテック取引とは異なり、これは方向転換でも縮小でもない」と明言。「Scaleは明確に独立した企業であり続ける」と強調し、今回の投資を「我々の進むべき道への信任」と位置づけた。

この取引により、Scale AIの評価額は290億ドルとなり、Metaはデータラベリングスタートアップの議決権のない49%の株式を取得する。多額の投資にもかかわらず、Metaは取締役会の議席を得る予定はなく、Scaleの独立性が維持される形だ。しかし、このスキームについては、規制当局の監視を回避するための構造ではないかと独占禁止法の専門家から疑問の声も上がっている。

Scaleの創業者で前CEOのアレクサンドル・ワン氏(28歳)は、Metaの新設「スーパーインテリジェンス」部門を率いるために退任し、Scaleの約1,500人の従業員のうち10人未満をMetaに連れていった。ワン氏はMeta勤務と並行してScaleの取締役にも残るため、Metaが競合他社のデータ戦略に関する知見を得るのではないかと懸念するクライアントも出ている。

この投資は、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOがAI競争での自社の立ち位置に不満を募らせているとの報道が出る中で行われた。Metaが4月に公開したLlama 4 AIモデルは開発者から芳しい評価を得られず、より高性能な「Behemoth」モデルのリリースも、OpenAIやGoogleといった競合他社との比較で能力面の懸念から延期されている。

一方、2024年5月の資金調達ラウンドで約140億ドルと評価されていたScale AIにとって、今回の取引は大幅なバリュエーション上昇となる。ただし、Metaの出資発表後、OpenAIやGoogleなど主要クライアントがScaleとの取引縮小を始めているとの報道もあり、代償を伴う可能性もある。

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