7月の移籍ウィンドウが本格化する中、セリエAのストライカーたちの動向が大きな注目を集めている。3人の有力FWが、それぞれキャリアの岐路に立たされている。
ヴィクター・オシムヘンは、2024-25シーズンにガラタサライへレンタル移籍し、目覚ましい活躍を見せた。ナイジェリア代表FWはトルコ王者のために公式戦36ゴールを記録し、国内2冠達成に大きく貢献。契約には7500万ユーロの買い取りオプションが盛り込まれており、ガラタサライは完全移籍に向けて動いているが、ナポリ側は5年分割払いに対する銀行保証を求めている。
一方、ユヴェントスはドゥシャン・ヴラホヴィッチとの契約延長交渉で難航している。25歳のセルビア代表FWは、セリエA最高額となる年俸1200万ユーロ(手取り)を受け取っているが、契約延長には応じていない。残り契約は1年となり、ユヴェントスは来夏のフリー移籍を避けるため売却を希望しているものの、ヴラホヴィッチの高額な年俸を満たすクラブは少なく、市場は静観ムードだ。
この状況は、ユヴェントスがヴラホヴィッチの後継者として夢見るオシムヘン獲得計画にも影響を及ぼしている。両者のトレード案も検討されているが、ナポリ側への多額のキャッシュ調整が必要となるため、実現性は不透明だ。
ここで浮上してきたのが、ウディネーゼ所属のロレンツォ・ルッカだ。身長2.01メートルの24歳ストライカーは、昨季セリエAで15ゴールを挙げ、ユヴェントスやマンチェスター・ユナイテッドをはじめとするプレミアリーグ勢からも注目を集めている。2024年6月にウディネーゼへ完全移籍したイタリア代表FWは、空中戦の強さに加え、長身ながらも高い技術力を兼ね備えた異色の存在だ。
来夏のワールドカップを控え、3人のストライカーはいずれも早期に自身の将来を確定させたい意向だ。オシムヘンとヴラホヴィッチは契約面の複雑さから移籍先探しが難航している一方、ルッカは市場価値を高めており、インフレ化するストライカー市場で「コストパフォーマンスの高い選択肢」として各クラブから注目度が増している。