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OpenAIとソフトバンク、Stargate計画をオハイオ州のパイロット施設に縮小

OpenAIとソフトバンクは、野心的なStargateプロジェクトを縮小し、2025年末までにオハイオ州で小規模なデータセンターの建設に注力する方針に転換した。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、当初は米国内で先進的なAIインフラを構築する総額5,000億ドル規模の共同事業として発表されたが、用地選定などを巡るパートナー間の意見対立などで計画が難航していた。この小規模施設は、ソフトバンクの孫正義CEOが構想する1兆ドル規模の「Crystal Land」AI製造拠点のパイロットとなる可能性もある。
OpenAIとソフトバンク、Stargate計画をオハイオ州のパイロット施設に縮小

Stargateプロジェクトは、OpenAI、ソフトバンク、オラクルによる注目の共同事業として2025年1月に発表されたが、実現に向けた課題を受けて短期的な目標を見直している。

ウォール・ストリート・ジャーナルが7月21日に報じたところによると、現在パートナー各社は、当初の壮大な構想から大幅に規模を縮小し、年内にオハイオ州で小規模なデータセンターを建設することに注力している。2025年1月にトランプ大統領がホワイトハウスでテック企業幹部を招いた際、Stargate構想は米国のAIリーダーシップ確立と10万人超の雇用創出を目指す5,000億ドル規模の投資計画として発表されていた。

しかし、プロジェクトは立ち上げ段階から難航しており、ソフトバンクとOpenAIの間でインフラの最適な設置場所など重要なパートナーシップ条件を巡る意見の相違が報じられている。関係者によれば、テキサス州アビリーンでオラクル主導により建設中の1.2ギガワット規模の施設には、ソフトバンクは関与していないという。

こうした逆風にもかかわらず、両社は「用地選定を急ピッチで進めている」とし、複数州でのプロジェクト推進を表明している。オハイオ州の施設は、より省エネルギーなAIインフラを地域単位で検証するテストベッドとなる可能性がある。

業界関係者の間では、この小規模データセンターが、ソフトバンクの孫正義CEOが構想するさらに大規模な「Crystal Land」プロジェクトのパイロットになるとの見方も出ている。同構想は、アリゾナ州に1兆ドル規模のAI・ロボティクス製造拠点を設立し、中国・深圳に匹敵するAI産業都市を米国に築くことを目指すもので、AI搭載の産業用ロボットや先端計算技術に注力する。

一方、OpenAIは他のパートナーシップを通じて計算能力の拡充を続けており、最近ではオラクルと450万キロワット分のコンピューティングリース契約(300億ドル規模)を締結した。また、「OpenAI for Countries」プログラムを開始し、各国政府が民主主義の原則に沿ったAIインフラを構築できるよう支援するグローバルな取り組みも展開している。

Source: Analyticsindiamag

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