menu
close

Zoho、エンタープライズAIエコシステムを強化する自社開発LLMを発表

Zohoは、NVIDIAのAIプラットフォーム上で完全自社開発した独自の大規模言語モデル「Zia LLM」を発表しました。1.3B、2.6B、7Bの3つのパラメータサイズで提供され、同時に25種類以上の即時利用可能なZiaエージェント、ノーコードのAgent Studio、サードパーティ統合用のモデルコンテキストプロトコルサーバーもリリースされました。これらのAIツールはZohoの既存アプリ内で動作し、データプライバシーを保護しつつ、企業にコスト効率の高いAI機能を提供します。
Zoho、エンタープライズAIエコシステムを強化する自社開発LLMを発表

Zoho CorporationはAI分野の強化を目指し、完全自社開発の大規模言語モデル「Zia LLM」を発表しました。2025年7月17日に発表されたこの新モデルは、Zohoが約2,000万ドルを投じて基盤AI技術を構築し、自社の幅広いソフトウェアエコシステムとシームレスに統合する戦略的な投資の成果です。

Zia LLMは1.3B、2.6B、7Bという3つの異なるパラメータサイズで展開されており、それぞれが単一モデルの縮小版ではなく、異なるビジネスユースケースに最適化され個別にトレーニングされています。完全自社開発で、公開データセットと独自データセットを組み合わせ、GPT-3スタイルのアーキテクチャを採用。2兆から4兆トークンのデータセットでトレーニングされています。 このLLMは、構造化データの抽出、要約、検索拡張生成(RAG)、コード生成などのビジネス用途に特化し、各モデルは異なる文脈の複雑さに最適化されています。

Zia LLMと同時に、25種類以上の即時利用可能なAIエージェント「Zia Agents」がAgent Marketplaceで提供開始。また、ノーコードでエージェントを構築できる「Zia Agent Studio」や、Zohoの豊富なアクションをサードパーティエージェントに開放するモデルコンテキストプロトコル(MCP)サーバーも発表されました。これらの機能により、組織は文脈認識型・支援型・エージェント型AI技術の価値を最大限に引き出し、さまざまな役割やユースケースの日常業務に即座にインパクトを与えることが可能となります。

Zia Agent Studioの体験は完全にプロンプトベース(ローコードも選択可能)に簡素化されており、Zoho製品全体で700以上のアクションに即時アクセスできます。ユーザーが作成したエージェントは自律的に展開でき、ボタンクリックやルールベースの自動化、顧客との会話内で呼び出すことも可能です。展開時には、定義されたユーザーアクセス権限を遵守するデジタル従業員としてエージェントを設定できます。管理者は行動監査やパフォーマンス分析を行い、エージェントが明確なガードレール内で効果的に動作しているかを確認できます。

Zohoはデータプライバシーを重視しており、Zia LLMでは顧客データを外部AIクラウドプロバイダーに送信せず、Zohoサーバー上に保持できます。このモデルは米国、インド、欧州のZohoデータセンターで展開され、現在はZohoの幅広いアプリポートフォリオで社内利用ケースのテストが進行中。顧客向けの提供は今後数ヶ月以内に開始される予定です。

今後については、Zia LLMのモデルサイズを定期的に拡張していく計画で、2025年末までに最初のパラメータ増強が予定されています。将来的には、音声認識モデルの対応言語拡大、推論言語モデル(RLM)の導入、Ask Ziaの財務・カスタマーサポート向けスキル追加、Zia Agents同士や他プラットフォームのエージェントと連携可能なAgent2Agent(A2A)プロトコルの実装なども予定されています。

Source: Martech

Latest News